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【第11回】 定修・定検プロジェクトの工期短縮と効率的な若手育成を補う仕組み作り

今回はプラントの定修、定検工事についての話をしたいと思う。
構築された石油・化学、電力、またその他のプラントは長年メンテナンスを続けながら操業される。このため近年ではプラントの高経年化、熟練者の引退、社会的責任(CSR)への対応などがプラント業界の大きな課題となっている。



これらの課題に対して、各企業ではITを活用したさまざまな対策を取ってきている。
弊社CSTでも流体を対象としたプラント向けにPLDM(Plant Lifecycle Data Management)ソリューションサービスという3Dレーザスキャンでプラントの3Dモデルを作り、システムを使って外からは見えない内部流体の流れをP & IDで見える化を行う、いわゆる仮想の「バーチャルプラント」をシステム構築するサービスを行っている。

これによりプラント内の機器がどこにどのように設置されているか、流体をどのように止めて作業をするのか確認できるようになるため、高経年化したプラントに対してより安全・確実に作業ができるようになり、かつ若手の育成にもつながる。


PLM



さて、今回のテーマである定修、定検プロジェクトについて話を移したいと思う。

ここでは、石油・化学プラントの定修プロジェクトを例にあげて説明する。
石油・化学などの大規模プラントでは、プラントが高経年化していくなかで、定修工事がとても重要な位置づけになる。
定修工事では設備の一部または全部を停止し大規模な点検・修理を行っていくため、大規模プラントにおいてはプラントの停止期間をいかに安全に保ち、かつそれを短縮させて生産出荷量を増やすかが鍵となってくる。



今回の例では、プラントの定修工事において以下の3つを課題にあげている。


 ① 熟練者の引退対策(若手の育成)


 ② 安全かつ工程短縮の実現


 ③ 要員割当時間の短縮


これらの課題に対しては次の対策を検討した。


「① 熟練者の引退対策(若手育成)」については、基本的に定修作業に熟練者と若手をセットでアサインするようにし、若手が経験する機会の少ない定修工事に対し効率的な技術継承を狙う。


「② 安全かつ工程短縮の実現」については、工程作成時にスキルレベル表・勤務予定表を考慮させ実現性のある最適工程を計画することを狙う。


「③ 要員割当時間の短縮」については、システム化による要員割当自動化を狙う。



しかし、対策を実現するには下図のような情報が必要となり、これらを分析・調整することにより期待する効果が得られる。


効率的な若手育成のポイント



では、実際のイメージで話をしていこう。
下図は工程と要員計画の図であり、プラグカバー解放などの各作業に対し熟練者と若手をセットにして計画している。これにより若手が熟練者と一緒に作業を行い、若手が作業を肌で感じて覚えるようにしていく。


工程と要員計画

次に要員割当に入る。計画したスキルレベルを満たす要員は誰か、要員スキルレベル情報より対象となる要員を確認する。


要員スキルレベル情報

対象スキル要員を確認したら、次に勤務表でその中で作業日に勤務予定になっている要員を確認し割当てる。


要員確認_勤務表


以上により実現性がありスキルもマッチした最適な工程が作成される。
これにより、定修作業の効率的な技術継承実現性のある最短工程の作成が期待できるようになる。



しかし、これらはシステム化で情報一元化をしなければ、とても手間がかかり実現が困難である。そこでここからはシステムを使った例を紹介したいと思う。
今回は工程と要員計画作成にOracle Primavera P6を要員スキルレベルと勤務管理に勤務管理システム(EPMソリューションサービスのお客様向けシステム開発サービスとなります)を使った例で説明する。


まずは、Oracle Primavera P6で定修工程をスケジューリングさせ、各作業のスキルレベル欄(ここでは、Level 1、Level 3、Level 5で表示)に必要人数を入れていく。


Oracle Primavera P6


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次に、勤務管理システムで「必要スキルを保有し、かつ作業期間に勤務予定」の要員を確認する。割当可能であれば(他部署の場合は確認後)システムから割当を行う。
このシステムでは定修工程と連動しているため、自動的に必要スキルと勤務予定から割当候補があがり、すぐに割当てることができるのである。これにより分析・調整や要員の割当にかかる時間が大幅に短縮できる。


勤怠管理システム


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もちろん勤務管理システムで割当てた要員は工程側にも反映される。また、各要員別に本定修工事への割当状況や各要員別のTo-Doリストも確認できるようになる。


Oracle Primavera P6


拡大表示



以上のように、工程・勤務予定・スキルレベル情報を考え方のもとシステムで一元化することにより、「効率的な技術継承」「実現性のある最短工程」「要員割当自動化」が実現し、課題となっていた熟練者の引退対策(定修業務の若手育成)、安全かつ工程短縮の実現、要員割当時間の短縮がシステムを通じてできるようになる。




さて今回は、定修・定検プロジェクトの工期短縮と効率的な若手育成を補う仕組み作りをテーマに説明してきた。

スマート保安やスーパー認定などの国の方針が新しくなるなか、高経年化するプラントをいかに安全に、いかにスピーディに定修・定検を行うか、また若手が経験する機会が少ない定修・定検においていかに技術継承していくか、各企業はITを活用した課題に対応するソリューションを求めてきている。

みなさんも、さまざまな用途で定修・定検工事にITを活用してみてはいかがであろうか。






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