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【第14回】 スケジュールの妥当性をどう評価するか?

みなさんはプロジェクトで作成するスケジュールの妥当性をどう評価するだろうか。
やはり自らの経験をもとに、スケジュールを作成したり受領したスケジュールを確認しているケースが多いのではないだろうか。


しかし、最近ではプロジェクト発注者(オーナー)側でコントラクターから受け取ったスケジュールの妥当性をグローバルの基準をもとに評価するケースが出ている。
スケジュールを確認するオーナー側も確認されるコントラクター側も、この基準を知っていて損はないと思う。




たとえば、代表的なものとしてDCMA(アメリカ国防契約管理局)14 ポイントアセスメントを紹介していこう。DCMA 14 ポイントアセスメントでは、以下 14 の評価項目をあげている。





 ① ロジックの確認(Checking the Logic)


ネットワークスケジュールのロジック(リンク)が途中で切れていないか。
もしロジックが切れていてネットワークが完全ではない場合は、クリティカルパスの妥当性が低くなる。

ロジックの確認



 ② リードの調査(Looking for Leads)


負のラグは「リードタイム」と呼ばれる。負のラグはあらゆる種類の問題を引き起こす可能性があり、また紛らわしくなりがちである。負のラグはないのが望ましい。

リードの調査



 ③ ラグの調査(Looking for Lags)


DCMA は正のラグになると少し寛容であるが、ここではスケジュール作成におけるラグの使用を最小限に抑えることを目標にする。ラグを持つリレーションシップを全体の 5%以内とすることが目標である。

ラグの調査



 ④ 正しいリレーションシップタイプ(The Right Relationship Types)


P6 などのスケジューリングソフトウェアは 4つのリレーションシップタイプをサポートしている。しかし Start to Start(SS)など Finish to Start(FS)以外を多数使用するスケジュール計画は最適ではなく、DCMA ではスケジュールの 90%以上を Finish to Start(FS)で計画するべきであるとしている。

正しいリレーションシップタイプ



 ⑤ 強制制約について(How 'bout those Hard Constraints)


強制制約はロジックに影響し、スケジュールロジックを無効にする。
DCMA では、強制制約はすべての制約アクティビティの 5%以内にすべきとしている。

強制制約



 ⑥ 総フロートの長さ(Rein-in your Total Float)


総フロートは 44 稼働日を限界とする。とても長いフロートを持つアクティビティは正しくロジックが組まれていない可能性があり、クリティカルパスを崩壊させる原因となる。

総フロートの長さ



 ⑦ 負のフロートはあってはならない(Negative Float is Never Good)


DCMA では負のフロートはあってはならないとしている。ある場合は文書化したキャッチアップ計画が必要となる。

負のフロートはあってはならない



 ⑧ 所要期間の長いアクティビティは分解する(Break Down Those Long Durations)


所要期間が 2ヶ月を超えるアクティビティは長すぎるとし、一連の短いアクティビティに分解する。また、長い所要期間のアクティビティは全アクティビティの 5%以内に制限する。

所要期間の長いアクティビティは分解する



 ⑨ 無効な日付を確認する(Check for Invalid Dates)


実績の日付が計算日(Data Date)より将来にあってはならない。逆に今後のアクティビティの予測日付(未来の日付)が計算日(Data Date)より過去にあってはならない。Primavera P6 はこのような状態を許容しないが、どのソフトウェアで作成されたスケジュールに対してもこのチェックは適用される。

無効な日付を確認する



 ⑩ リソースとコストを山積みする(Load it up with Resources and Costs)


DCMA では、リソースとコストが山積みされたスケジュールを好む。
有効なアクティビティは全て対象とする。ただし、マイルストーンは対象とはならない。

リソースとコストを山積みする



 ⑪ アクティビティの遅れを無くす(Subvert Activity Slippage)


誰でも納期は守りたい。ここでは、ベースラインと比較して遅れて終了したアクティビティ数を確認する。プロジェクトが時間通りに完了するかを確認するための包括的なチェックとなる。

アクティビティの遅れを無くす



 ⑫ クリティカルパスの正当性(Critical Path Integrity)


良いロジックによる流動性を確認し、スケジュールにおけるクリティカルパスの正当性をチェックする。DCMA では、(クリティカルパス上のアクティビティの所要期間を極端に長くしてみるなど)スケジュールの遅れにより、プロジェクト完了日が同じように遅れるかをチェックする。

クリティカルパスの正当性



 ⑬ CPLI(Critical Path Length Index)


プロジェクトの「クリティカルパスの長さ」と「プロジェクト総フロート」を加算したものを「クリティカルパスの長さ」で割り、比率を計算する。計算結果が 100%になることが良く、95%未満は失格とする。

CPLI



 ⑭ BEI(Baseline Execution Index)


ベースライン実行指数(BEI)は、「完了したアクティビティ数」を「ベースライン上で完了しているべきアクティビティ数」で割り、比率を計算する。計算結果が 100%になることが良く、95%未満は失格とする。

BEI





以上、スケジュールの評価ポイントの例として、DCMA(アメリカ国防契約管理局)14 ポイントアセスメントを紹介してきた。


他にも評価ポイントアセスメントはあるが、このような評価を行うにあたり、最近ではスケジュール評価のシステムを活用するケースが増えてきている。


予めスケジューリングソフトウェアなどで作成したスケジュールを、今回紹介したような 14 ポイントアセスメントなどの評価ポイントに従い、システムでスケジュールを診断するものである。



ではどのようにスケジュール評価システムが使われるか。
今回はスケジュール評価システム Deltek Acumen Fuse® を例にして説明したいと思う。



下図はスケジュールソフトウェアの Oracle Primavera P6 で作成したスケジュールをDeltek Acumen Fuse® で取り込んで、DCMA 14 ポイントアセスメントで評価したものである。
ここでは、取り込んだスケジュールが評価され、いつどの部分で何のポイントに何件引っかかったかが分かるようになっており、各評価結果部分をクリックすると対象となるアクティビティが表示されるようになっている。

これによりユーザは問題部分をチェックし、スケジュールの改善すべき点が確認できるようになる。確認後はスケジュールを見直して再度評価をしていくことにより、妥当性の高いスケジュールが完成するようになるのである。

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Deltek Acumen Fuse® で評価できるスケジュールソフトウェアは、Oracle Primavera P6 だけではないので、参考までに対応するソフトウェアを以下に紹介しておこう。
もちろん、以下に無いソフトウェアでも相談いただければ個別に対応が可能である。



以上、今回は作成したスケジュールの妥当性をどう評価するかをテーマに説明してきた。


スケジュールの評価は発注者側やコントラクター側でそれぞれの経験をもとに行われ、スケジュールが確定するまで何回もやりとりをして何回も修正してきたところが多いと思う。


冒頭に記載した通り、グローバルな評価基準でスケジュールを確認する発注者(オーナー)が多くなってきている今、みなさんも作成されたスケジュールを提出・確認する前に評価してみてはいかがであろうか。







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